1 防衛省シンポジウム概要と解釈の難しさ_その1(今回)
2 解釈の難しさ_その2
3 解釈の難しさ_その3とこれからの姿
■平成28年度防衛省シンポジウムの概要
「平成28年度防衛省シンポジウム 今後の日米同盟の方向性
~我が国を取り巻く安全保障環境とこれからの日米防衛協力~」
日時:平成29年3月17日(金)1830~2100
場所:イイノホール(東京都千代田区内幸町)
言語:日本語/英語(同時通訳有り)
主催者挨拶:防衛副大臣 若宮健嗣氏
基調講演:防衛省政策局長 前田哲氏
モデレーター:宮崎緑氏(千葉商科大学教授 国際教養部学部長)
パネリスト:秋田浩之
(日本経済新聞 編集局コメンテーター)
徳地秀士
(政策研究大学院大学 政策研究院シニア・フェロー)
鮒田英一
(元自衛艦隊司令官)
渡辺靖
(慶応義塾大学 環境情報学部教授)
ジム・トーマス
(The Telemus Group 会長、元米国国防省国防次官補代理)
シンポジウム参加者:約1,000名(個人観察)
【シンポジウム全体の流れ】
1 防衛副大臣による堅調なご挨拶
2 防衛省政策局長による、基調講演・解説的なプレゼンテーション
-1 一層厳しさを増す我が国を取り巻く安全保障環境
-2 政権交代に伴う米国の安全保障政策の動向
-3 今後目指すべき日米同盟の方向性
3 モデレータのリードによる、パネリストのご意見開陳・交換
-1 各パネリストによる 基調講演を受けてのご意見
-2 シンポジウム参加者からの事前質問
-Q1 北朝鮮に対し軍事オプションの行使はあり得るのか
-Q2 中国の尖閣諸島上陸はあり得るのか
-Q3 FMS(米国対外有償軍事援助)は今後も拡張するのか
日本の防衛産業の在り方は
こんにちは。株式会社HORIZONディフェンス代表小関清志です。
上記防衛省シンポジウムに参加しましたので、
いくつかトピックスを記していきたいと思います。
■解釈することの難しさ_その1
2-1防衛省政策局長による、基調講演の資料中にもありますが、
我が国周辺の軍事バランスには、以下のように記されています。
・総兵力 (例:中国約230万人)
・戦車 (例:中国約7,200両)
・艦艇 (例:137隻 約46.7万トン) など
また国防費の推移も中国公表値で、過去28年で約44倍とあります。
防衛費・国防費も国家予算の一つの費目ですので、
予算は大切な指標ですし、総兵力や艦艇の隻数やトンも同様に
大切な指標です。
しかしながら、かつての戦争の推移を見れば、
その指標は有事の際の勝敗結果と相関関係があるのか
甚だ疑わしい例も散見されます。
定量化が難しくとも、大変重要な要素に、各国・各軍が採用している
軍事ドクトリン(軍事などの教義・運用思想)があります。
多くの事例から、いくつか例を挙げてみます。
・古くはギリシア時代等の「重歩兵の集中運用」(ファランクス)
・日本国内でも(伝説的要素が多いですが)
長篠の戦における、武田騎馬軍団を破った
織田軍団の「鉄砲の集中運用」
・第二次世界大戦初期に日本が行った、「空母の集中運用」
・比較的現代においても、1991・2003年に米国がイラクに行った
「エアランド・バトル」
軍事ドクトリンの有効性・先進性というものの研鑽を深める必要に
私たちはあたらためて気づかされます。
今回はこのあたりで終わりにしたいと思います。
加筆・修正は失礼ながら随時あるかと思います。ご容赦ください。
次回は、 解釈の難しさその2
について記したいと思います。